題詠blog*久野はすみ


by hasumikan

カテゴリ:題詠blog2012( 107 )

「題詠blog2012」の参加作品をまとめた
『短歌、BLOGを走る。2012』に参加しています。
詳しくはこちらをごらんください。

http://daieiblog2013.jugem.jp/?eid=136
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by hasumikan | 2013-10-21 23:47 | 題詠blog2012
051:囲 山吹の花には早き旅なれど囲炉裏をかこむ幸いのあり
052:世話 世話物の義理人情にかたむきて梅田の橋へこころを飛ばす
053:渋 軒というやさしきものに守られて渋柿の実は甘くなりゆく
054:武 いにしえの武具馬具武具馬具三武具馬具博物館をゆっくりめぐる 
055:きっと この妻もきっと明日には死ぬだろうクライムノベルを閉じて眠りぬ 
056:晩 晩白柚コンフィチュールの味わいは指ふれあわぬ恋のごとしも
057:紐 用済みになるまでの日をしめすため手帳は黒き紐を垂らしぬ
058:涙 ねむの木の涙に肩をぬらしつつどこまでも歩きたき春の宵
059:貝 貝印カミソリいつもしまわれて鏡台は母のしずかな浜辺
060:プレゼント 素晴らしきチェロのライブを探し当てプレゼントせりフォロワーさんに
061:企 また何か企んでいるファミレスのオレンジ色のメニューの陰で
062:軸 軸足に体をのせてゆくコツを知りたるは夏の撞球場
063:久しぶり 久しぶりに帯を締めれば母よりも叔母に似ておりわたしの肩は
064:志 山手線のダイヤ乱るるホームにて志望と志願の違いを思う
065:酢 焼きたての秋刀魚じゅうじゅう音をたて愛なのだろう酢橘を搾る
066:息 フルートは春楡の枝みずみずと息ふきこめば青葉がゆれる 
067:鎖 絡まりし細き鎖をほどきたる指がたちまちわたしを鎖す
068:巨 終わってもかまわぬなどと言いながら見に行くだろう巨石の群を
069:カレー 作中に生きて死にたること羨し雪原をゆくアンナ・カレーニナ
070:芸 安芸灘に日の沈むころゆっくりと向きを正せり船の艏(おもて)は
071:籠 籠城はまだやぶられずささくれの指に塗り込む馬油少々
072:狭 とろとろと葛湯とけゆく夜の戸は狭くて影を呼びこむばかり  
073:庫 喩ではなく現実としてある朝は冷蔵庫より鍵を見つける
074:無精 ひだまりにただ撫でられているだけの無精な猫となりたき土曜
075:溶 溶き芥子ひとさじ添えたバラ肉のほろりくずれる愛はこわいね 
076:桃 桃として桃とむきあう七月のかがやく風の過ぎ去るまでを
077:転 しまなみをゆく自転車は知っている橋へとつづく坂のつらさを
078:査 再検査通知を受けて良性と知るまで思いしことは秘密に
079:帯 幾たびも結ばれたるをおしまいにいっそう強く結ぶ帯締め
080:たわむれ たわむれの八月は過ぎ鞄から白き風切羽をとりだす
081:秋 秋霖のほの暗き日に運ばれてくるものがある息つめて待つ
082:苔 苔玉に話しかけつつ水をやるそういう人に来世はなろう
083:邪 今日のわれをしいて入れるとするならば邪悪なパンダというカテゴリー
084:西洋 ふくよかな少女の肌も旅立てり国立西洋美術館展
085:甲 りんご飴金太郎飴はっか飴なまめかしきは鼈甲の飴
086:片 蜂の巣をたたき落とせしその日よりときおり襲いくる片頭痛
087:チャンス われはいまチャンスメーカー夏雲はわきたち滝はしぶきをあげる
088:訂 貝殻を拾う浜辺に次々とだされるだろう改訂版は
089:喪 これは絽よこちらは袷この無地を着せてと母は喪を待つごとく
090:舌 珍しい鳥と思えばまた百舌か独りぼっちで高鳴きをして
091:締 修理とは尊き決意オルゴールのねじをきちんと締めあげてゆく
092:童 鉄橋をわたる車窓のさみどりのなかにまぎれて手を振る河童
093:条件 簡単な旅程のなかに条件があったはずだが忘れてしまう
094:担 重き荷を振り分けにして担ぎたり善しと悪しとをときどき替えて
095:樹 葉を落とす公孫樹並木のその下を帰路か往路かわからぬままに
096:拭 皿の上のソースを拭うパンのごと自ら汚れてゆく力とは
097:尾 さしあげてさらにいただく毎日だ語尾をしずめて眠りにおちる
098:激 そのむかし激しく責めしことなども朧月夜の酒の肴に
099:趣 同じものを時を違えて見る趣向 蝋梅の花咲くと告げたり
100:先 つま先は気の向くほうへゆきたがる同じ向きなら一緒に旅を
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by hasumikan | 2013-10-16 16:40 | 題詠blog2012
001:今 長旅になるやも知れぬ文庫版古今和歌集ひざにのせたり
002:隣 薬屋の隣がぽっかり空いていて過ぎた時間もぽっかり消える
003:散 龍角散のふたをあければふうわりと古里にふる雪のやさしさ
004:果 果実みなふとりゆく秋かなしみを抱けば甘き水こぼれたり
005:点 枕辺に点鼻薬置く大切なものほどつかみそこねる指は
006:時代 旧校舎ありし時代を言うときの眼裏に青き柳がゆれる
007:驚 卯之町の小さき蔵の甘酒の驚くべきうまさをお土産に
008:深  冬なれば雪深き町 護られて力いっぱいふらここを漕ぐ
009:程 簡単な旅程の紙を手渡しぬ余白に鳥の落書きをして
010:カード カードキー差し込むようなメールにて開かれてゆく朝の心は
011:揃 無理をしてみたき晴天さばさばとりんどうの茎切り揃えゆく
012:眉 眉の骨かるく圧しつつ聴いている液晶のなかの鳥の羽音を
013:逆 ココアから湯気たつ夜の角膜にふれようとする逆まつげあり
014:偉 偉い人ばかりの船はしずむだけジョン・レノン流るる十二月
015:図書 図書館に図書目録はねむりいてその一枚を抜くごとく遇う
016:力 カステラを切り分けながら揺れている茅を見ていた風の力を
017: 従 ここからは貝殻骨に従ってしずかに時がすすむのでしょう
018:希 川を見にきたはずなのに川底に希少な石をさがしはじめる
019:そっくり そっくりな猫の写真を見て笑う虹鱒のソテーうつくしき夜
020:劇 笑わないあまたの首をしまうゆえ人形劇団倉庫は優し
021:示 指し示す路地のむこうに青き花咲きほこれどもその名を知らず
022:突然 真夜中に突然電話をかけてきて樹海へ行ってきたなどと言う
023:必 〈入力に不備があります〉たそがれの必須項目空欄のまま
024:玩 店中のロボットのねじ巻きたがる少年は春の玩具テロリスト
025:触 花びらのような触手もしずまりて島の珊瑚は深く眠りぬ
026:シャワー ゆりかもめ飛び立つ朝(あした)べったりと肌に張りつくシャワーカーテン
027:損  破損したパーツを買いに行ったきり四半世紀も戻ってこない   
028:脂 ベーコンの脂じんわり溶けだして幸福はつねに白き皿の上(へ
029:座 沈黙の鎮座しているリビングを抜けだしモルフォ蝶の国へと
030:敗 百七十九連敗の馬も居しパドックにふるまぶしきひかり
031:大人 窓口にて大人二枚と告げざりしこと友情を越えざりしこと
032:詰 逃げられぬところへ詰めてゆきしのち川のほとりに棋譜を燃やしぬ
033:滝 イグアスの滝へ行きたるものがたり思い出すためピアソラを聴く
034:聞 塩麹しろく濁れる厨にて良き伝聞が届くのを待つ
035:むしろ 青山のみのり豊けきこけむしろ美しきかな先をゆく人
036: 右嵐電(らんでん)に乗りてゆきたし冬ざるる京都右京区太秦の寺
037:牙 とこしえに睦みあうのも辛かろう象牙細工の二羽のうさぎよ
038:的 恣意的な解釈ばかりきかされて明け方甘きコーンポタージュ  
039:蹴 柵をこえ増えに増えたる蝦夷菊をうっかり足蹴にする冬の庭 
040:勉強 ずっしりと重たい本を読んでいる勉強嫌いが毛布をかぶり
041:喫 一つずつ荷をおろしては低くなる喫水線をはつかかなしむ
042:稲 ままごとの終わりをつげる声がしたお稲荷さんの鳥居のむこう
043:輝 もう二度と会わない人に謝りぬ宮本輝を返し忘れて 
044:ドライ 貝殻か桜紅葉かこの先のドライブルートを決めかねている 
045:罰 舌打ちに罰金を科す大声で笑うひとには報奨金を
046:犀  ―ウジェーヌ・イヨネスコの寓話― 
次々と犀になりたる人たちを見ているだけのわたくしも犀
047:ふるさと お城下の北と南に隔たればわずかにちがうふるさとの色
048:謎 訊ねたいことの多くは謎のままサイドミラーの角度を直す
049:敷 海ほどの大風呂敷を広げなさいそうしてしあわせになりなさい
050:活  瀬戸内の海賊たちのまぼろしを活力として走れ亀たち
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by hasumikan | 2012-12-04 06:13 | 題詠blog2012

完走報告(久野はすみ)

またしても最終ギリギリランナーでした。
今年のしばりは「あなた」「きみ」「おまえ」の禁止。
もし見つけたら笑ってください。
楽しかったです。ありがとうございました。
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by hasumikan | 2012-12-01 01:20 | 題詠blog2012
鉄橋をわたる車窓のさみどりのなかにまぎれて手を振る河童
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by hasumikan | 2012-11-30 23:59 | 題詠blog2012

100:先(久野はすみ)

つま先は気の向くほうへゆきたがる同じ向きなら一緒に旅を
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by hasumikan | 2012-11-30 23:53 | 題詠blog2012

099:趣(久野はすみ)

同じものを時を違えて見る趣向 蝋梅の花咲くと告げたり
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by hasumikan | 2012-11-30 23:48 | 題詠blog2012

098:激(久野はすみ)

そのむかし激しく責めしことなども朧月夜の酒の肴に
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by hasumikan | 2012-11-30 23:34 | 題詠blog2012

097:尾(久野はすみ)

さしあげてさらにいただく毎日だ語尾をしずめて眠りにおちる
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by hasumikan | 2012-11-30 23:13 | 題詠blog2012
皿の上のソースを拭うパンのごと自ら汚れてゆく力とは
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by hasumikan | 2012-11-30 17:33 | 題詠blog2012